from 泉山将馬
あなたは、自分の商品やサービスについて、なぜその価格設定なのか説明できますか?
「近くのスクールが月5,000円だから」
「この地域なら、これくらいかな」
「高くするとお客さんが来なそうだから」
もし、そんな理由だけで価格を決めているのであれば、一度「商品」そのものから見直してみてもいいかもしれません。
前回の記事では、
売上=客数×客単価×購入頻度
という考え方について書きました。
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僕自身、スポーツ教室を始めた頃は、月謝5,000円で会員が20人くらい。
月商にすると10万円ほどの時期もありました。
当時の僕は、
「売上を増やすなら、もっと会員を増やさないと」
と考えていました。
もちろん客数を増やすことは大切です。
でも、今なら客数だけではなく、「そもそも、どんな商品をいくらで売っているのか?」も見ます。
客単価が低いのであれば、価格を見直す必要があるかもしれない。
別の商品が必要かもしれない。
そもそも商品のコンセプト自体を見直した方がいいかもしれない。
今回は、スポーツ事業を始めたものの売上がなかなか伸びない人に向けて、「商品」について考えてみたいと思います。
「できる・やりたい・求められている」が重なる商品を考える
商品をつくるとき、一つ大切にしたい考え方があります。
それが、
「できること」
「やりたいこと」
「求められていること」
この3つが重なるところを探すことです。
自分にできることであっても、お客さんから求められていなければ、商品として売るのは難しい。
逆に、市場から求められていたとしても、自分に提供する力がなければ商品にはできません。
そして僕は、長く事業を続けていくのであれば、自分自身が「やりたい」と思えることも大切だと思っています。
この3つがすべて重なっているところに、売れる商品の可能性があります。
僕がスポーツ事業を始めたときも、
まず、これまでのスポーツ経験や指導経験を活かして「自分に何ができるか?」を考えました。
同時に、
「スポーツを仕事にしたい」
「自分でスポーツ事業をやりたい」
という、僕自身の「やりたい」もありました。
そしてもう一つ、お客さんに求められるものになっているかを考えるために、お客さんがどんなことに困っているのかを意識したり、同じ地域に似たようなサービスがないかを調べたりしました。
その中で感じていたのが、地域には競技志向というか、勝ち負けを重視したスポーツ環境が多いということでした。
もちろん、競技として勝利を目指すこともスポーツの大切な価値です。
一方で僕は、
「本来、スポーツってまず楽しむものじゃないか?」
とも考えていました。
そこで、ただ技術を教えるだけではなく、
- スポーツを楽しむこと
- 体を動かすことを好きになること
- そのための土台をつくること
こうした価値を商品として打ち出していきました。
ただ、自分自身の経験を振り返ると、当時からこの3つを完璧に考えられていたわけではありません。
むしろ事業をやりながら、
「これはお客さんに求められている」
「これは思ったほど反応がない」
「自分がやりたいことと、お客さんが欲しいものは少し違う」
と、少しずつ分かってきた部分も大きいです。
だから、最初から完璧な商品をつくる必要はないと思っています。
まずは、
できる。
やりたい。
求められている。
この3つが重なるところを考えて商品にして、実際に売ってみる。
そして、お客さんの反応を見ながら改善していく。
商品づくりも、この繰り返しだと思います。
「相場を見る」と「相場で決める」は違う
価格を決めるとき、僕も周りの相場は調べました。
近隣のスポーツ教室はいくらなのか。
他の習い事はいくらなのか。
そういった情報を見ること自体は大切だと思っています。
ただ、
「近くのスクールが月5,000円だから、うちも5,000円」
という決め方はしていませんでした。
そもそも、何を比較対象にするかによって「相場」は変わります。
同じスポーツスクールと比較するのか。
子どもの習い事全体と比較するのか。
学習塾と比較するのか。
それだけでも見える価格は変わってきます。
だから僕は、
相場を知ることと、相場に合わせて価格を決めることは違う
と思っています。
相場はあくまで判断材料の一つ。
最終的には、
「自分たちは、どんな価値を提供しているのか?」
「その価値に対して、いくらの商品にするのか?」
を自分たちで考えなければいけません。
僕は「安売りしない」と決めていた
スポーツ事業を始めた頃から、一つ意識していたことがあります。
それが、
「安売りしない」
ということです。
昔の総合型地域スポーツクラブなどでは、月会費1,000円、2,000円といった価格の教室もあります。
もちろん、それぞれ目的や事業モデルが違うので、その価格自体が悪いという話ではありません。
ただ、僕自身は、
スポーツを仕事にして、自分たちで事業として続けていくのであれば、その価格競争に乗る必要はない
と考えていました。
これは今でも大切だと思っています。
スポーツを仕事にして生活したいのであれば、
「安い方がお客さんが来るだろう」
という理由だけで価格を下げ続けることはできません。
売上は立っても利益が残らなければ、事業を続けられないからです。
「自分の時間」を安く見積もっていないか?
価格を考えるとき、僕が大切だと思っていることの一つが、
自分の時間を安く見積もらないこと
です。
例えば、1時間のスポーツ指導。
お客さんから見れば「ただ1時間のサービス」かもしれません。
でも、その1時間のサービスを提供できるようになるまでに、どれくらいのお金と時間をかけてきましたか?
何年もその競技を続けてきた。
資格を取った。
色々な研修に参加した。
本を読んだり、指導方法をたくさん勉強した。
実際の現場で何度も失敗しながら、指導力を身につけてきた。
もちろん、
「自分は努力してきたんだから高く売っていい」
という単純な話ではありません。
最終的には、お客さんがその商品からどれだけの価値を得られるのかが重要です。
ただ、自分たちが商品を提供するために投資してきた時間やお金まで無視して、必要以上に自分の商品を安く見積もる必要もないと思っています。
そして、事業である以上、
「自分たちの手元に、どれくらい利益を残したいのか?」
という視点も必要です。
売上があっても利益がほとんど残らなければ、スタッフを雇うことも、広告に投資することも、設備を良くすることも難しくなります。
事業を続けるためにも、適正な利益を残せる商品を考える必要があります。
客単価を上げるために必要なのは「度胸」。笑
これは僕が経営やマーケティングを学ばせていただいている、スポビジ大学の宮城哲郎さんから教えていただいたことでもあります。
商品単価を上げるために必要なのは、
「度胸」
だと。笑
(もちろん、それだけではありませんよ?)
宮城さんの講座でも、単価が低く粗利が少ない状態を商品の問題の一つとして捉え、
価格そのものを見直すことや、その価格に見合う価値をどう提供するのかを考える重要性が扱われています。
これは本当にそうだと思います。
価格を上げようとすると、
「お客さんが離れたらどうしよう」
「高いと思われないかな」
「この金額をもらっていいのかな」
と不安になります。
だから、つい価格を低く設定してしまう。
でも、
価格を上げる=お客さんから余計にお金をもらう
ではありません。
その価格に対して、
「もっとどんな価値を提供できるだろう?」
と考えることでもあります。
だからこそ、価格を決めるにはある程度の「度胸」も必要なんだと思います。
ただ値上げすればいいわけではない
ここは勘違いしてほしくないところです。
客単価が低い。
だから、
「じゃあ明日から月謝を2倍にしよう!」
という話ではありません。笑
僕なら、価格と一緒に商品の中身を見ます。
特に重要なのが、
ターゲットとコンセプトです。
誰に売る商品なのか。
その商品はどのように提供するのか。
その人は何に困っているのか。
その商品を購入することで、どんな未来が得られるのか。
他の商品ではなく、自分の商品を選ぶ理由は何なのか。
ここが曖昧なまま価格だけ上げても、お客さんからすれば、
「なぜ、この商品にこの金額を払うの?」
となってしまいます。
僕自身も、宮城さんから商品づくりについて学ぶ中で、コンセプトの重要性をかなり教えていただきました。
宮城さんの講座では、商品コンセプトを、
「お客×ベネフィット×独自性」
という掛け算で捉えています。
つまり、
誰に。
どんな未来を提供して。
なぜ自分の商品なのか。
この3つです。
価格を考える前に、そもそもここが明確になっているか。
これはぜひ確認してほしいと思います。
お客さんの「生活」から逆算して商品を考える
僕自身、今振り返ると、昔よりもっと考えられたと思うことがあります。
それが、
お客さんの生活導線や悩みから逆算して商品をつくること
です。
例えば、
「自分は毎週水曜日に指導できるから、水曜日に教室をやろう」
というのは、提供者側の都合です。
でも、本当に来てほしいお客さんは、その時間に参加できるのか?
その人は普段どんな生活をしているのか?
どんなことで困っていて、何ならお金を払ってでも解決したいのか?
スポーツ事業を始めたばかりの頃は、
「自分に何ができるか?」
から考えることも必要だと思います。
僕自身もそこから始めました。
でも、事業として商品を育てていくのであれば、
「自分ができること」と「お客さんが求めていること」の接点
を探していかなければいけません。
ここが合っていなければ、どれだけ良い指導ができても、売れる商品にはなりにくいと思います。
まず「いくらの商品を何人に売っているか?」を見る
もし今、スポーツ事業を始めたものの月商10万円くらいから伸びない人から相談を受けたら、僕なら最初にこう聞くと思います。
「今、いくらの商品を何人に売っていますか?」
例えば、
月5,000円の商品を20人に売っているなら、
5,000円×20人=10万円
です。
ここから月商50万円を目指すとして、
「じゃあ100人集めましょう」
だけではありません。
そもそも5,000円という価格は適切なのか。
別の商品をつくれないのか。
もっと価値の高い商品をつくれないのか。
そして何より、
「誰の、どんな悩みを解決する商品なのか?」
が明確になっているのか。
数字を確認したうえで、商品そのものを見ていきます。
客数を増やすことだけが、売上を伸ばす方法ではありません。
「客単価が低い」は、商品の問題かもしれない
前回の記事では、
売上=客数×客単価×購入頻度
に分解して、自分の売上がどのように作られているのかを確認してみようと書きました。
その中で、
「自分は客単価が低いかもしれない」
と気づいた人もいるかもしれません。
そんなときに、
「じゃあ値上げしよう」
だけで終わらせないでほしいと思っています。
なぜこの価格なのか。
誰に売っているのか。
その人にどんな価値を提供しているのか。
なぜ自分の商品を選ぶのか。
どれくらい利益が残るのか。
自分の時間を安く見積もっていないか。
そして、
そもそも商品のコンセプトは明確なのか。
一度、商品そのものに戻って考えてみてください。
もし月商10万円くらいだった頃の自分に、商品づくりについて一つだけ伝えるなら、
僕は、
「もっとコンセプトを考えろ」
と言うと思います。
値段を決めることも大切。
集客することも大切。
でも、その前に、
「誰に、どんな価値を提供する商品なのか?」
を決める。
スポーツを仕事にしただけで終わらず、その仕事一本で生活できる事業へ育てていくためにも、ぜひ一度、ご自身の商品を見直してみてください。
PS スポーツ一本で生活できる事業をつくりたい方へ
「スポーツ事業は始めた。でも、まだこれ一本では生活できていない」
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